【エヴァ解説】ループ説とは何だったのか「シン・エヴァンゲリオン劇場版」完結後の考察

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズで噂されたループ説。
今回は、完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開後に改めてループ説を考察した動画の紹介です。
【Youtube考察動画】
・【エヴァ解説動画】「シン・エヴァンゲリオン」完結後の「ループ説」考察
そして、2023年3月8日には「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のBlu-ray&DVDが発売されます。映像自体は既にアマプラで配信されていますが、こちらには新作特典映像「EVANGELION:3.0(−46h)」が収録されるそうです。
その内容は謎に包まれていますが、ストーリー的には『破』から『Q』の間のエピソードが描かれる可能性が高そうです。
以下、今回の紹介動画のテキスト版になります。
ループ説とは何か
ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズが
ある同じ物語を何度も繰り返している世界
いわゆるループ物と呼ばれる性質を持つ作品なのでは
と噂されるようになった要因は
主に2つあります。
要因:1【渚カヲルのセリフ】
1つは渚カヲルのループを連想させるセリフ。

渚カヲル
「変わらないな、君は 会える時が楽しみだよ」
「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」
「そんな顔をしないで、また会えるよ、シンジくん」
シンジと出会う前から既に
シンジの事を知っているような口ぶりで
シンジを幸せにするために
何度もエヴァの物語を繰り返している。
そう連想させるこれらのセリフで
「渚カヲルを中心としたループ説」
が疑われるようになりました。

【ループ説:その1】
渚カヲルが
碇シンジを幸せにする為に
ループする物語
要因:2【原作と新劇場版の関係性】
2つ目の要因は「原作と新劇場版の関係性」
元々「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」というシリーズ自体が
原作である「新世紀エヴァンゲリオン」をベースに創られた
2度目の物語。

原作を繰り返すリメイク的作品でありながら
少しずつ原作とは違う展開へと変化していった
という作品の事情も
ループ的要素として捉える事が出来ました。

【ループ説:その2】
原作と新劇場版
シリーズを通してループする物語
ではこれらループ説の伏線について
作中でどう説明されたのか。
ループ説の回答
完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では
ループ説に回答するように
渚カヲルの口から
このようなセリフが出てきました。

渚カヲル
「僕の存在を消せるのは真空崩壊だけだ
だから僕は定められた円環の物語の中で
演じることを永遠に繰り返さなければならない」
「定められた円環の物語」
つまり決められたループする物語の中で
カヲルも
与えられた役割を演じ続けるキャラクターの一人であった。
要するにこの世界は
やはり決められた物語をループしていて
カヲルはその事を知っていたが

カヲルを中心としたループ物
というワケではなかったのです。
また、原作と新劇場版の関係性についても
その繋がりを連想させるシーンは幾つかありましたが

【原作と新劇場版の繋がり】
・原作の映像が映写される
・原作ラストシーンを再現する場面
等
明確な言及はありませんでした。
つまりループの目的については
よく分からないまま終わったのです。
では結局
誰が、なぜ、どうやって世界をループさせていたのか。
なんの為のループ設定だったのでしょうか。
ここからがループ説についての考察になります。
ループ説の真相考察
【全体像1】誰がループさせていた?
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界は
碇シンジが“大人になる時”が来るまでループする世界であり

世界をループさせていたのは
シンジの母親、ユイであった。

つまり
繰り返す物語の中で
息子がやがて大人になる時が来るのを
母がただひたすらに見守り続けるループ物。

これがユイを中心とした
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の世界の
基本的なループ構造だと考えられます。
故にユイの目的であった
シンジが大人になると決めた
“この時”を迎えた物語の終盤で

碇シンジ
「そうか この時の為に、ずっと僕の中に居たんだね、母さん」
突然、シンジの背後からユイが現れ
シンジはループを脱し
永遠の14歳から大人の姿へと変わったのです。

【全体像1】
息子が“大人になる時”が来るまで
母が見守るループ物
ではユイは
いつから
どうやって
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界をループさせていたのか。
【全体像2】「どうやって世界をループさせていた?」
ループさせていたのは
この世界(新劇場版)のユイではなく
もう一人のユイ

原作「新世紀エヴァンゲリオン」の世界のユイであった。
つまり
この物語のループとは

原作のラストで「神」となったユイ(初号機)が
自分自身の願い
息子の成長を見届けたかった、という
唯一の心残りを叶える為に
一度終わった
「新世紀エヴァンゲリオン」の
碇シンジの物語を再現する新たな世界

新世紀エヴァンゲリオン →世界の創生→ ヱヴァンゲリヲン新劇場版
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界を創造したのが
全ての始まりだった
という事です。
完結編
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のラストで
やや唐突に説明された

綾波レイ
「世界の新たな創生
ネオンジェネシス」
NEON GENESIS[ネオンジェネシス]
という
新たなエヴァの世界を生み出す力の存在は
この物語の始まり
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界が始まった要因を説明する為のものだった。
故にあのシーンでは
本来はあり得ないはずの
原作「新世紀エヴァンゲリオン」の映像が映写されていたのです。

【全体像2】
原作のユイが神となり
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の世界を創生し
碇シンジの物語を再現(ループ)させていた
【全体像3】「マイナス宇宙」

マイナス宇宙、裏宇宙と呼ばれた世界が
原作「新世紀エヴァンゲリオン」の世界。
その世界を元に創られたのが
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の世界。
時系列順には
マイナス宇宙が先にあり

その中に一人残された原作のユイ=初号機が神となり
オリジナルに似せた世界
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の世界を創生(ネオンジェネシス)し
碇シンジの物語を再現し
繰り返していた。

碇ゲンドウ
「神の世界をここに残した
私の妻、お前の母もここにいた
すべての始まり、約束の地人の力ではどうにもならない
運命を変えることが出来る唯一の場所だ」
故にゲンドウは
別世界であるはずのマイナス宇宙の神の世界に
自身の妻であるユイが居たと言い
そこを、すべての始まり
運命を変えることが出来る唯一の場所

即ち
新劇場版のゲンドウにとっては
マイナス宇宙こそが
この世界を創り出した神の居る所。
世界の運命を変える事が出来る
ループの中心地
と考えていたのです。

【全体像3】
マイナス宇宙が原作「新世紀エヴァンゲリオン」の世界だった
ここまでが
ループの全体像の考察でした。
シリーズ完結編:シン・エヴァンゲリオン劇場版の目的

ユイの存在により
原作のエヴァがまだ終われていなかった。
その結果
新たなエヴァの世界が始まった。
2つの世界を繋ぐのがユイによるループ設定だった。
つまり
シリーズ完結編が謳われた「シン・エヴァンゲリオン」の目的は

「終われていなかった原作」と「新たに始まった新劇場版」
新旧2つのエヴァの物語を終わらせる事だったのではないでしょうか。
故に完結編だけタイトル表記が変えられ
二度繰り返す、を意味する反復記号

即ち
2つの世界の終わりを意味する
リピートマークが付けられたのではないでしょうか。

「原作のユイ」「新劇場版のシンジ」
「シン・エヴァンゲリオン」の中で
2つの世界の終わりはどう描かれたのか。
まずは全ての始まりである
原作のユイのラストシーンから
振り返っていきます。
原作:新世紀エヴァンゲリオンの終わり

シンジの母・ユイは
無限に生き続ける存在。
50億年たっても死ぬことがない
神のような存在「エヴァ初号機」となり

たった一人で宇宙を彷徨い続ける。
それが原作の結末でした。

彼女が
エヴァ(原作)の世界で生き続けている。
その事実が
新世紀エヴァンゲリオンが
終われていなかった理由だったのではないでしょうか。

リツコ「まさか、あり得ないわ!エントリープラグも挿入していないのよ
動くはずないわ!」
ミサト「インターフェイスもなしに反応している
というより、守ったの?彼を…」」
第1話で
パイトットの居ない状態でシンジを守り

リツコ「やはり目覚めたの?彼女が」
第19話で
エヴァに目覚めた彼女は
「ヒトの生きた証」を残す、科学者としてのユイではなく
「息子を想う」母親として神となり
やがて
自らの願いを叶える新たな世界を
ネオンジェネシスと呼ばれる力で
産み出す事になります。
それが、新劇場版が始まった理由。

つまり
エヴァを完結させるには
未だ続いていた
原作のユイの物語を終わらせる事が
どうしても必要だった。
「神殺し」
新劇場版のゲンドウが願った…神殺し。
マイナス宇宙(原作)の神の世界へと行き
永遠に生き続ける神
初号機に槍を刺し、停止させる。

やっと分かった
父さんは、母さんを見送りたかったんだね
それが父さんの願った、神殺し
ゲンドウは、永遠に生きるユイを、ただ眠らせてあげたかった。
「それがゲンドウの願った神殺し」
こうして
原作に一人残されたユイの物語は終わり
新世紀エヴァンゲリオンの世界は完結。
ユイによる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界のループも
終わりを迎えます。
新劇:ヱヴァンゲリヲン新劇場版の終わり

もともと原作
「新世紀エヴァンゲリオン」は
やはり初めから、碇シンジの物語であり
シンジが初号機に乗る事で始まった話でした。
「エヴァに乗る」
これには幾つかの意味合いがありますが
「エヴァ」と「エヴァパイロット」
つまり
「母」と「子」の関係性を中心にした物語。

子供が、母親(エヴァ)の体内へと、生まれる前の場所へと還る。
そういう構図が
作品を覆うテーマの一つとして存在しました。

再び始まった新劇場版でも
その構図は
ユイの創り出した世界の中にいるシンジ
という形で続いていた。

母(エヴァ)の世界の中で生き続ける碇シンジ
シンジはまだ、母の中で生き続けていた、という事になります。
結局
新劇場版の終わりとは
碇シンジが

エヴァの中=母の世界の中から出て
もう一度生まれる事
新たな始まりを迎える事だったのではないでしょうか。

エヴァに乗る事で、母へと還る事で始まった物語は

碇シンジ
「そうだ、僕もエヴァに乗らない生き方を選ぶよ」
エヴァに乗らない生き方、母との別れで終わりを迎える。
母の世界から出て
自分自身で作る新たな世界へと向かう。
その姿が

シンジが大人になり
外の世界へと向かう
ラストシーンとして
エヴァンゲリオンの終わり
碇シンジの物語の終わりとして
描かれたのではないでしょうか。

永遠に生き続ける
原作のユイの物語は、
彼女の死を持って。

少年であり続けた
新劇場版のシンジの物語は、
彼が大人になる事によって。
母と子
二人の物語の終わりを持って
エヴァンゲリオンの完結となる。
これが全ての真相だったのではないでしょうか。

ユイとシンジのループ設定は
その為に用意されたのではないでしょうか。
【動画/Youtube】
・https://youtu.be/oCtf-KiA5co
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(あみあみ

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この記事へのコメント
・カヲルが円環の中で演じていたのがシンジの父親役=ゲンドウだったこと
・旧劇で初号機にいたユイの他にもう一人ループ世界の主になった人物がいること
・それは2号機のコアに宿っていたキョウコ・ツェッペリンなこと
・その人物こそ新劇で見知らぬキャラクター真希波マリなこと
・ゆえにアスカの苗字も変わっていたこと
・シンジが「母親が必要なガキ」から「恋人が必要な大人」になって円環が閉じたこと
・それはどういう意味か?なぜ真希波マリが迎えに来て終わったのか
・なぜシンジはアスカにだけ「また逢うためのおまじない」をしていたのか
肝心なのはこのへん
youtubeの考察はまだまだレベルが低い
ならもう分かってんだろ?エヴァ詳しいんだろうし
初号機vs第13号機が夫婦ゲンカな事も分かってたようだし、それなら「最後のエヴァンゲリオン」に乗ってたマリが何者かも
-46hが出る前にマリ=キョウコの動画でも作っとけば3月頃にはドヤ顔できるんじゃないの
庵野、鶴巻、スタジオカラー
お前らは完全に滑り倒したんだよ
「最後のエヴァは神と同じ姿」
「最後のエヴァンゲリオン」
なぜ避けるんだい?キョウコ・ツェッペリンの話題を
旧劇で2号機にいた事でユイと同じ立場になった存在を
どういうわけか新劇で姿が見えなかった人を
真希波マリの正体を
見ないから
シンマリエンドだと思い込んで後に引けなくなっちゃった?
マリ=キョウコだなんて思いもしなかった?
ふふっ
ありがとうございました😄
名前: ネメシス=ラ=アルゴール冬月 2023年01月01日 12:50:08
そうか、そういう事か!