【ヱヴァ考察】「綾波タイプの初期ロット」と「エヴァパイロット=人造人間」説

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の様々な可能性を探る考察シリーズ。
今回は、エヴァンゲリオンのパイロット達は全員人工的に作られた「クローン」「人造人間」ではないか?という可能性について考えていきます。
具体的な根拠のある話では無いので、考察材料をまとめるスタイルです。
1.エヴァパイロットの設定は変更された
アスカの名前が旧作「惣流」から新劇場版「式波」に変わった理由を、庵野秀明総監督は「エヴァパイロットの設定が旧作と変ったため、それに合わせて名前を変え整合性をもたせた」と説明しています。(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集より)
具体的な変更点は明かされいませんが、旧作にあった「母親の魂とその子供」というエヴァとエヴァパイロットの関係性も変更されている可能性があります。
2.登場人物の名前変更とその由来
新劇場版では主要キャラクター2人の名前が変更されています。
【一人目】
「惣流・アスカ・ラングレー」 → 「式波・アスカ・ラングレー」

エヴァパイロットの設定変更に合わせて、アスカの名前が変わりました。
「式波」の由来は海上自衛隊「あやなみ型護衛艦」の4番艦「しきなみ」から。
新キャラクターである真希波・マリ・イラストリアスの由来も同「あやなみ型護衛艦」の7番艦「まきなみ」から付けられていて、女性パイロットは綾波レイ含め同じ海上自衛隊「あやなみ型」同型艦で統一されるという共通点が生まれています。

(参考:あやなみ型護衛艦 wikipedia)
【二人目】
「碇ユイ(旧姓)」 → 「綾波ユイ(旧姓)」
シンジの母親ユイの旧姓が「碇」から「綾波」に変更され、クローンである綾波レイとの関係がより明確になりました。

3.「綾波タイプの初期ロットか」
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』劇中でアスカがレイを発見した時のセリフです。
アスカ「さっきのパイロットね」
アスカ「綾波タイプの初期ロットか」
アスカ「ハァ…」
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 3.33より)
「綾波タイプの初期ロット」とレイを識別している事から、アスカは「綾波タイプ」がクローンだと知っていて、以前にも「別ロット」を見ている可能性があります。

庵野総監督は“名前を変え整合性をもたせた(上記1)”と、アスカの名前変更とエヴァパイロットの設定変更には整合性がある事を示唆しています。
仮にその整合性が「あやなみ型護衛艦」同型艦に名前が統一された点と、「綾波タイプの初期ロット」というタイプ分け・ロット分けの新設定にあるとすれば、
「あやなみ型」=「綾波タイプ」
「1番艦」=「初期ロット」
と置き換える事が可能。
つまり
あやなみ型1番艦「あやなみ」=綾波タイプの初期ロット
あやなみ型4番艦「しきなみ」=綾波タイプの4次ロット
あやなみ型7番艦「まきなみ」=綾波タイプの7次ロット
という置き換えが出来ます。

パイロットの設定変更、名前との整合性という監督発言と合わせて考えると、
レイだけでなく、アスカやマリもクローンの可能性があるかもしれません。
4.「アヤナミレイ(仮称)」と「(仮称)碇シンジ」
黒いプラグスーツのレイは、「アヤナミレイ(仮称)」という正式名称でパンフレットに記されています。
初号機から目覚めたばかりのシンジも同じく「(仮称)碇シンジ」と呼ばれている事から、綾波同様「別のシンジ」である疑いを掛けられたのかも知れません。
5.「コード第3の少年」と「(仮称)碇シンジ」
『ヱヴァ:Q』劇中でシンジは「コード第3の少年」とも呼ばれています。
ミサト「碇シンジ君…でいいのよね」
リツコ「そうね」
リツコ「物理的情報ではコード第3の少年と完全に一致」
リツコ「生後の歯の治療痕など身体組織はニアサー時を100%再現しているわ」
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q)
シンジの足の裏には「BM-03 / S.IKARI??」とQuestionマークが書かれ、鈴原サクラには「検体BM03 仮称 碇シンジさん」と呼ばれるなど、本物の「碇シンジ」かどうか疑問視される描写が繰り返し出てきます。
リツコは彼が「碇シンジ」である事を証明する際に、
1.物理情報が「コード第3の少年」と一致している点
2.生後の歯の治療痕など「碇シンジ」として成長した痕跡がある点
の2点を確認しています。
「コード第3の少年」と物理情報が一致しているだけでは「碇シンジ」とは言えない。つまり「碇シンジ」以外にも歯の治療痕が一致しない別の「コード第3の少年」が存在する可能性もあるのかも知れません。
6.研究所で育ったアスカ
アスカの持つ人形の設定用メモには、以下の説明があります。
・幼い時から一人の時は人形遊びをしていた。
・人形は「アスカ」という名前。
・彼女、唯一の話し相手。
・研究所から初めて町に出た時にもらったもの。
・10年以上使っている。
・4.5才向け。
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集より)
「研究所から初めて出た」という表現から、アスカは何らかの研究所で生まれ、ある年齢まで研究所内で育った可能性があります。

7.月面の「柩(ひつぎ)」から目覚めた渚カヲル
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のラストシーンでは、月面に並ぶ「柩」の一つから全裸の渚カヲルが目覚めます。
左右には同様の柩が並び、扉が開いている棺、閉まっている棺が存在します。柩の詳細は本編では明かされていませんが、資料集『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 全記録全集』掲載の脚本には「カヲルの柩」と書かれており、閉まった柩の中に「別の渚カヲル」が眠っている可能性を予感させるシーンと言えます。

8.エヴァパイロットの呼び名変更
エヴァパイロットの呼び方自体も旧作→新劇場版で変更されています。
ファーストチルドレン→第1の少女
セカンドチルドレン→第2の少女
サードチルドレン→第3の少年
「○○チルドレン」から「第○の少年/少女」に変更。新劇場版では使徒の呼び方も「第○使徒」から「第○の使徒」に変わっており、エヴァパイロットと使徒が同じスタイルに統一されています。
両者に何らかの関連性が追加された可能性もあるかも知れません。

9.運命を仕込まれた子供たち
劇中で度々登場するキーワード「運命を仕込まれた子供たち」
以下、そのセリフをまとめました。
冬月「結局 お前の息子は予定通りの行動をとったな」
ゲンドウ「ああ、次はもう少しレイに接近させる 計画に変更はない」
冬月「14年前からのシナリオ。運命を仕組まれた 子供たちか」
冬月「過酷すぎるな」
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序)
レイとシンジの2人は、何かの目的のために生まれたとも取れる言葉です。
ナレーション「ついに集う、運命を仕組まれた子供たち。」
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 予告映像より)
『破』の最後に流れる予告映像のセリフ。絵コンテ段階では、このシーンに映る人物は渚カヲルと4人のレイ(うち3人は幼女)と書かれています。(コンテ設定が生かされているかは不明)
カヲル「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、運命を仕組まれた子供さ」
(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q)
カヲルもまたシンジと同じ“運命を仕組まれた子供”だと明かしています。
これらのセリフから、レイ・シンジ・カヲルの3人は同じ“運命を仕組まれた子供”に該当する可能性が高いのではないでしょうか。

まとめ/アンケート
「エヴァパイロットの設定が旧作と変った」という総監督の言葉から、パイロットに何らかの秘密、新設定が追加されたのは間違いないと思います。
それが「パイロット=全員人造人間」に繋がるかは正直微妙な所ですが、「母親のいない14才の少年少女」だけではない、特別な運命が新劇場版のパイロットには設定されている可能性があります。
【アンケート】
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この記事へのコメント
綾波ユイがゲンドウの「碇」姓に入ったって事だから、
六分儀ゲンドウも碇ゲンドウに変わってるっていうことで、
名前が変わったのは三人では?
確かに、自分たちで初号機から回収したシンジの外見的特徴に変化がなく、アスカでパイロットは変化しないってわかってるはずなのに、わざわざ確認するのは違和感があると思う。
人造人間による後遺症類が「エヴァの呪縛」に結びつくような気もしてきます
確かに「運命を(略」はよく耳に入りますし、逆にチルドレンというワードは聞きませんね...
知人よりエヴァQが某R18動画サイトにアップされているはのはご存知ですか?
あやなみ型4番艦・7番艦の4と7は、1以外に自身でしか割れない素数とも言える(因数分解できないということで、固有性の高い特別な数→オリジナリティが高いという意味?)
ちなみに、「第三の少年」の3も素数だし「第13使徒」の13も素数だね
皆さんの意見も楽しんで読ませてもらっています。
私の感想としてはシンジだけはやはり人間で単純に初号機の中に14年居たせいで容姿が変わらなかったのでは?と。
だから「ニオイが違う」のかなとこの考察を読んで思いつきました。
同じ物を複数回作る場合の初回生産分が、初期ロットであり、
似たような物を作るシリーズ物の最初が、初期バージョン
あやなみ、しきなみ、まきなみは、バージョン違い
名前: なるほど 2014年05月18日 07:27:04