『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』考察シリーズ。
今回は第4作目『シン・エヴァンゲリオン劇場版』への伏線になっているかも知れない未回収の伏線の中から、「
加持リョウジ」と「
赤い海」、海を復元する施設「
海洋生態系保存研究機構」に関する仮説をまとめました。
加持は何処へ行ったのか?新劇場版は何故“赤い海”なのか?海の浄化施設が登場した理由は?これらは全て繋がっているのでは、という考察です。
【目次】
1:
おさらい2:
伏線3:
考察まとめ(※長いので結論見たい人は3.のリンクへ)
おさらい1:加持リョウジとは?
加持リョウジ 主席監察官2作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から登場するメインキャラの1人。
ユーロから特命でNERV本部にやってくる。
旧作とは設定が変わっている。加持リョウジの人間関係と、旧作との違い
| 新キャラ「マリ」にプラグスーツを支給するなど、上司と部下的な関係 |
| 「アスカ」が加持に好意を寄せる旧作設定は無くなっている |
| 「ミサト」「リツコ」とは学生時代からの友人。ミサトとは特別な関係だった事が伺えるが、旧作ほど深くは掘り下げられていない |
| 「ゲンドウ」「冬月」にゼーレの情報を横流しするスパイ的な立ち位置。しかしネルフ本部内でも盗聴しており、2重、3重スパイの可能性も考えられる |
3作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』には登場せず、消息不明です。
おさらい2:「日本海洋生態系保存研究機構」とは?
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で登場した、
赤い海の浄化を行う施設。

国際環境機関法人 日本海洋生態系保存研究機構 海洋資源保存研究施設
International Environmental Agency Japan Marine Ecosystem Preservation Research Organization

ケンスケ
「失われた海洋生物の永久保存と、赤く染まった海を元の姿に戻すという、まさに神のごとき大実験計画を担う禁断の聖地!
その表層の一部だけでも見学できるとは!まさに持つべきものは友達って感じ」

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
セカンドインパクトで赤く染まった海を、元の青い海へと復元する実験を行っている。
旧作には無い、
新劇場版から追加された新設定・新施設です。
「海洋生態系保存研究機構」=「WILLE(ヴィレ)」の前身組織?
ここからは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でミサト達が所属していた新組織「ヴィレ」の元になったのが、上記の「海洋生態系保存研究機構」(海洋研究所)だったのではないか?という仮説を軸に考えていきます。

新旧エヴァの大きな違いである
「赤い海」への設定変更が、実は
ヴィレ誕生の伏線だったのではないか。そこに海洋研究所、そして加持が関与しているのではないか。
以下、今回の考察のポイントになる7つの伏線をまとめました。
伏線1.「赤い海」と「青い海」の対比
インパクトのたびに赤く染まっていく『ヱヴァ』の世界。
海洋研究所が行う「青い海」の復元実験は、ネルフ・ゼーレの計画、それに伴うインパクトの影響とは真逆の実験と言えます。
【赤い海 と 青い海】

(日本アニメ(ーター)見本市 「until You come to me.」より)
【ネルフマーク と ヴィレマーク】

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qより)
新劇場版の世界観を象徴する
「赤い海」と
「青い海」の対比は、後の
ネルフvs
ヴィレの対立構造を表していたのではないでしょうか。
伏線2.ヴィレの腕章=青い海の色
ヴィレのメンバーは全員水色の腕章をつけています。

この腕章について劇中では触れられませんが、海洋研究所の
「青い海の復元」を象徴しているのではないでしょうか。
伏線3.加持と海洋研究所の関係
加持は“社会科見学”と称してシンジ達を海洋研究所に連れて行きます。
【シンジ達を迎え入れる加持】

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
ネルフ・ゼーレの両方から情報を収集していた加持は、どちらでもない第3の組織に属していた可能性があります。
加持と海洋研究所には
もともと何らかの繋がりがあったのではないでしょうか?
伏線4.マリと加持の関係
シンジを「ネルフのワンコ君」と呼ぶマリも、ネルフ以外の組織に属していた可能性があります。
マリ「このことは他言無用で ネルフのワンコくん」

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
行動に謎が多いマリ。
加持の部下だった事を考えると、加持同様スパイ的な活動をしていた可能性もあります。
伏線5.ミサトと加持の関係
ミサトは加持からネルフの裏情報を聞き出そうとします。
ミサト「ゼーレとかいう うちの上層組織の情報・・・もらえないかしら」
加持「例の計画を探りたいならやめておけ」
ミサト「そうもいかないわ 人類補完計画 ネルフは裏で何をしようとしているの?」
加持「それは・・・オレも知りたいところさ」

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
ミサトはネルフに対して疑いを持っていたようです。
伏線6.マリ=コネメガネ
『ヱヴァ:Q』でアスカはマリの事を“コネメガネ”と呼んでいます。
マリ「コネメガネ いつまで歌ってんの!」

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q より)
マリとの関係性が描かれていた主要キャラは加持のみ。
コネメガネとは
“加持とのコネ”を指す言葉ではないでしょうか。
伏線7.高雄コウジと加持の関係
『ヱヴァ:Q』の新キャラクター高雄コウジ(ヴィレのオペレーター)は、加持の事を知っています。
高雄「まったくムチャをする…。フッ 加持の話より面白い艦長だ」

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q)
高雄コウジは、
ミサトより先に加持と知り合っているようです。
考察まとめ
以上の伏線から今回の考察をまとめました。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・新劇場版の加持は、海洋研究所側の人間。ネルフ・ゼーレにスパイとして潜り込んでいたのではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・『ヱヴァ:破』で加持が海洋研究所に行ったのは、自身の拠点となる組織に戻るためではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・シンジ達を「社会科見学」として同行させたのはカモフラージュ、及びエヴァパイロットに関するデータ収集が目的ではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・「赤い海」を研究していた海洋研究所は、当然、発生原因となったセカンドインパクトについても調査を進めたのではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・調査のためネルフに潜り込んでいたのが加持。調査の過程でネルフ・ゼーレの補完計画に気付き、“対ネルフ組織”設立の準備をしたのではないか。それが後のヴィレになったのではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・ネルフの行動に疑問を持っていたミサトを、『破』~『Q』の間に加持がヴィレに引き入れたのではないか。

(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)
・加持の部下だったマリは、アスカ達より先に対ネルフ組織(後のヴィレ)に所属していた。ゆえにアスカはマリを“コネメガネ”と揶揄するのではないか。
・旧作と役回りが変わった加持は『ヱヴァ:Q』の世界でも生存。次回作以降ヴィレ側の人間として登場するのではないか。

・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で赤い海の世界に変更されたのは、「インパクトで発生した赤い海」と「海洋研究所が復元する青い海」の関係を、14年後の「インパクトを起こすネルフ」vs「阻止するヴィレ」へと繋げるための仕掛けだったのではないか。
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